日本の不動産とフィリピンの不動産の違い
日本とフィリピンで違う常識がいくつもあります。ここではまず主な違いを挙げてみます。
(1) 南向きは必ずしも好まれない。
熱帯の国フィリピンでは、住宅は涼しさ重視です。南向きは熱いため、フィリピン人には不人気です。好まれる方位ナンバーワンは東向き。北向きも涼しいので人気がります。好みではありますが、メトロマニラの場合の西向きの物件はマニラ湾に沈む夕日が見えることもあるのでそういう物件は人気があります。
(2) お風呂(バスタブ)がない
フィリピンでは通常シャワー中心の生活なので、バスタブがある住居は非常に少なくなっています。シャワーも電気温水器のため、水圧も弱いです。「家に帰ったらお風呂でゆっくり」という方は、バスタブの付いている最新のコンドミニアムを選びましょう。賃料はかなり高くなります。 それなら、「風呂はホテルやサウナ、スパで」と割り切った方が安く済みます。
(3) メイド部屋がある
フィリピンでは中流層以上の方は子守(ヤヤ)やメイドを雇うのが一般的です。メイドといっても、秋葉原のメイドカフェとはずいぶんイメージが違います・・・いわゆるお手伝いさんです。 メイドは住み込みが基本なので、家族向きの物件ではメイド部屋が付いているのが普通です。メイド部屋がない場合は、居間で寝泊りしてもらうか、通いになりますが、居間で寝泊りされると、なれない日本人としては夜など、結構気を遣うものです。
(4) 賃貸料は小切手払い
銀行振り込みが発達していないフィリピンでは、賃料の支払いのために先日付の小切手をきることが求められます。即ち、小切手がないと借りられません。日本では個人ではあまり使うことの少ない小切手ですが、フィリピンに住むことになったらまず当座口座(Checking Account)を開くことをお勧めします。
(5) 部屋のタイプ
日本のワンルームは、フィリピンではステュディオ(Studio)と呼ばれます。以下、寝室の数で1BR(ワンベッドルーム)、2BR(ツーベッドルーム)等と数えます。また、シャワー・トイレは一緒になっているのが基本で、バスルームと総称されます。寝室とバスルームの数で部屋タイプを呼ぶのが普通です。
(6) エアコンは家具のうち
フィリピンでは日本のようなセパレートタイプのエアコンは普及しておらず、一体型が殆どです。壁にエアコン取り付け穴があり、入居者が据えつけないといけません。エアコン備え付け済みの住居は、原則「家具付き」(Fully Furnish/Semi Furnished)の扱いになります。エアコンを改めて購入して備え付けるには日数がかかりますので入居時に「エアコン付き」の物件を探しましょう。また他の家具も同じで、自分で家具を用意するのが面倒な方は、お値段は少し高くなりますが、あらかじめ家具がほとんど付いているフーリー・ファーニッシュ(Fully Furnish)で探しましょう。
■賃貸コンドミニアム
日本で言うマンションの事をフィリピンではコンドミニアムと言います。 駐在員の方や長期滞在者のほとんどがコンドミニアムに住んでいます。 一軒家もいいのですが、一人暮らしやカップルなどが住むときには、手軽さや住居のメンテナンスやセキュリティを考えるとコンドミニアム(「コンド」と呼ばれています)がお勧めです。日本のマンションを賃借するのと同じで、部屋ごとにオーナーが違います。 場所や、築年数によって値段が違います。 家具付き、家具無し、駐車場付きなどの条件があり、契約期間が1年の物もあれば、物件数は少なめですが、短期間で貸し出してくれるホテルのような「コンドテル」と言われるものもあります。自分の都合に合わせて快適なコンドミニアムを探してみて下さい。
日本の物件とは以下の点が異なります。
(1) 棟内に駐車場がある
自動車社会のフィリピンでは駐車場が必須。でも、あまり運転しない人には不要かもしれません。駐車場つきの部屋とそうでない部屋がありますので、契約時に確認をして下さい。
(2) プールがある
中級以上のコンドミニアムには屋上や中間層の共用部分にプールが付いているのが普通です。
(3) スポーツジムがある
簡単なバーベルセットを備えたところから、本格的なジムまでレベルはありますが、棟内にジムのある物件がついているコンドミニアムがほとんどです。
(4) 有人セキュリティがある
入り口にはガードマンが24時間体制で受付をしています。ただし、ガードマンの士気は管理会社により異なります。ガードマンとは普段から仲良くしたり、ちょっとしたプレゼントを渡すなど友達になっておくと、いざというときに頼りになります。 その他、ゲームルーム、パーティールーム、喫茶店、洗濯屋、ATM、コンビニなど等、便利施設がたくさん入っているコンドやショッピングモールに隣接している物件など、さまざまなコンドが開発されています。一方で、許認可がおりずにごく一部しか入居のない問題コンドもたまにありますのでその辺は気をつけて下さい。 一部のコンドは長期滞在型アパーテルが併用となっているところもありますので、一度、滞在して様子を見るのも良いでしょう。きちんと住環境をチェックした上で、快適なフィリピン生活をエンジョイして下さい。